FC2ブログ

自作小説~Mon etagere

スポンサー広告


スポンサーサイト

--.--.--  *Edit 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



*Edit TB(-) | CO(-) 

小説コラボ番外編


愛と悲しみのはみだし刑事番外編~緊張の夏、非凡の夏~① 巫女さん、燃(萌?)えぇ~~♪

2009.09.06  *Edit 

※この物語に登場するキャラクターは、【はみだし刑事苦情編】と【愛と悲しみの二重奏】の主人公たちです。


汗ばむほどの夏の暑さも、日が落ちればその影を少しはなりを潜める。
その廃墟と化した病院は、閑静な住宅街の外れの森の中にひっそりと佇んでいた。
ただでさえ、人通りの少ない住宅街だ。
午前零時ともなれば、ときおり森の中を吹き抜けるやけに生暖かい風が、枝葉を揺らす音以外に聞こえてくるものはない。
しかもこの廃病院、霊が出ることでかなり有名な心霊スポットなのである。
先日も、某テレビ局の心霊番組で取り上げられたほどだ。
そんな薄気味の悪い場所に、三つの人影があった。
それは巫女さんと高校生とメイドという、かなり奇妙な取り合わせの三人である。
巫女さんは、年の頃なら二十代前半だろうか。
黒い髪を肩で切りそろえ、知的な印象を与える目元が魅力のクールビューティである。
彼女の名前は朝倉魅琴。
こう見えてもこの地区を所轄する警察に勤める、れっきとした婦人警官である。
そんな朝倉が、腕時計に目を落としながら怒りに顔を染めていた。

「あのぉ、バカ九条!! 人をこんな所に呼び出しておいて、自分が遅れて来るなんて、いい性格してるわよね!!」

そう、この三人、実は九条雅樹刑事に肝試しをしようと、ここに呼び出されていたのである。
なんでも、なかなか進展しない高校生とメイド姿の少女の仲を心配して、今回の企画に至ったということらしいのだが。
あの九条にしてはまともな発想ではあったが、本当に出てしまう場所を選択してしまうあたり、やっぱり九条というところだろうか。
しかも十一時半に呼び出しておいて、零時を回った現在に至っても、本人の姿は無い。
朝倉の怒りの言葉に、その隣にいるジャージ姿の男子高校生が、メイド服姿の女子高校生の手を繋ぎ、あいまいな表情を浮かべた。
彼の名前は日高優司。
この近くにある市立星見ヶ丘学園の一年生である。
人の良さそうな顔をした少年で、けっこう内気な性格の持ち主なのだ。
そんな彼の手を心配そうに握るのは、彼と同じ高校に通う藤山京子である。
彼女の家は貧乏で、汚れてもいい服を持ち合わせていなかったため、バイト先のメイド服を着てきたのである。
とはいっても、そんなに怪しいバイト先で働いているわけではない。
ちょっとだけ変わった、コンビニの制服なだけである。
いや、メイド服を制服にするコンビニは、十分に怪しい気もするが。
まあ、それはさておき。
三人が一様に恐怖と一部怒りで顔をこわばせる中、九条が悪びれた様子もなく、車でやって来た。
彼の愛車はHMMWV(ハンヴィー)。
日本ではハマーという名で有名な大型ジープである。
アメリカ軍などが使用し、ハリウッド映画にもよく登場するアレである。
しかも砂漠迷彩に塗装しているあたりが、九条らしい。
そんな怪しさ満点の軍用ジープから、九条が姿を現した。

「ふむ、みんな来ているようだな」

「来ているようだな、じゃなぁ~~~い!!」

朝倉の容赦のない巫女さんキックが、九条を襲う。

「ていうか、今何時だと思ってるわけ? もう零時よ、零時……」

ここで不意に、九条を背後から巫女さんスリーパーホールドしていた朝倉の動きが止まる。
その彼女の瞳は、車のライトに照らされた九条へと注がれていた。

「……なんなのよ、その格好は」

そう問われ、自分の身体を見下ろす九条。

「ん? 対肝試し用の装備だが……なんか変か?」

さも当然のように、九条が聞き返す。
だが彼を見る、三人の視線に写った彼の姿はというと……。
全身をくまなく黒いツナギで覆い、その上から同じく黒い防弾性のあるベスト。
頭にかぶった黒い強化プラスチックのヘルメットには、赤外線暗視装置もついている。
まるでSWATが突入する際の様である。
てか、対肝試し用って、肝試しに対応ってことなの?
普通はカウンター肝試しってことになりそうだけど……。
”対”の使い方間違ってないか?
まあ、それはさておき。
それを見た朝倉が、ため息混じりに言葉を漏らす。

「わたしには、かなり問題にしか見えないんだけど……それよりも、そんな格好で軍用ジープなんか運転してて、よく警察に止められなかったわね。それの方が驚きだわ!!」

朝倉は同じ警察官として、この男を止めもしなかった警察に一抹の不安を覚えた。
日本の治安も、かなり低下しているようである。
だが、そんな朝倉の嘆きも無視して、九条が平然と答える。

「いや、警察になら四回止められたぞ?」

『止められたんかいっ!!』

九条以外の三人のツッコミが綺麗にハモる。

「ていうか、四回も止められたんなら、少しは学習しなさい!!」

呆れて叫ぶ朝倉に、九条が不思議そうな視線を送る。

「朝倉、お前の格好も十分に怪しいと思うんだが……」

「……アンタにだけは、その言葉は言われたくないわね。それに、日本で肝試しといえば幽霊。幽霊といえば巫女さんでしょうが!! それが風情というものよ!!」

なぜか、声高に力説する朝倉。
巫女さんのコスプレって、本当に風情なのか?
そんな朝倉に、九条が腕組みをして口を開く。

「巫女の格好は分かるんだが、なんで首から十字架なんか下げてるんだ? それに手首には数珠もあるし、手に持ってるのはイスラム教の聖典コーランだろ?」

九条のこの言葉に、朝倉が顔を赤くして答える。

「うっさいわね!! このグローバルな世の中には、幽霊にだっていろんな宗教があるのよ!! だいたいね、アンタがこんな企画するから、わたしがこういう格好をしなくちゃいけないんでしょうが!!」

「それは違うぞ!! 巫女のコスプレは読者様の要望だ!!」

「……読者様ってなに?」

「読者様は読者様だ。まあ、要望どおりに巫女を登場させたはいいが、美少女を望んでいたからな……その点だけは心配だ」

「アンタ今、さりげなくムカつくこと言ったんだけど」

だんだんと険悪な表情になる朝倉。
そこへ、今まで黙って二人を見守っていた優司が、横から割って入る。

「あの……そろそろ行きませんか?藤山さんもこんな所で、怖がってますし。また小説が、無駄に長くなっちゃうと思うんです」

控えめに言う優司。
ていうか優司、よくやった!!
さあ、小説のシーンを先に進めなさい!!
それはさておき。
彼の言うとおり、よく見れば、彼の隣で恐怖のためか身をこわばらせるメイド姿の藤山さん。
それを見て、九条と朝倉が頭をぽりぽりとかく。

「ふむ、そうだな」

「じゃあ、行きましょうか」

九条と朝倉を先頭にして、歩き出す四人。
こうして一行は、森の入り口へと足を踏み込んだ。
後ろを歩く優司が、メイド姿の藤山さんを気づかって、その手をしっかりと握ってやる。

「怖くない?」

優司のかけた言葉に、藤山さんが恐怖のためか、黙って小さく頷いた。
普段は強がって、フンッなどと鼻を鳴らしている彼女だが、やっぱり普通の女の子。
こんな場所では心細いのか、優司の手を力いっぱい握り返してくる。
そして四人は、廃病院へと続く森の中を、懐中電灯の明かりを頼りに歩いていた。
ライトに浮かぶ夜の森の風景は、どこか不気味で、常に誰かに見られているような錯覚に襲われる。
そんな中、顔の下からライトを当てた九条が、不意に振り向いた。

「……いっ!?」

「あ、藤山さん」

それを直視してしまった藤山さんが、声にならない悲鳴を上げて失神しそうになり、それを優司が抱きとめる。
なにせ、九条の格好が格好である。
いろんな意味で怖いのだ。

「九条、や・り・す・ぎ・よ・っ!!」

ズブシュゥッ

「ぐほぉっ……」

横から朝倉の巫女さん地獄突きが唸りをあげて、今度は九条が声にならないうめきを漏らす。
てか今の一撃、確実に指半分は首にめり込んでたんですけど……。
巫女さん地獄突き、恐るべし!!
そんなこんなで、先に進む四人。
そして彼らの視線の先に、ようやく鬱葱とした廃墟の姿が浮かび上がったのだった。
全員が緊張した面持ちで、入り口へと近付く。
何の変哲もない、無機質なドア。
それはまるで、この四人を地獄へといざなっているようにも見える。
そして廃病院のひび割れた白い壁には、暴走族が書いたのだろう落書きがある。

「露邪亜&禍烈斗……ロジャア&マガレット?」

書かれた落書きを、声に出して読み上げる朝倉。
ていうかアノ二人、こんな所に来て何をやってるんだか。
まあ、それはさておき。
四人は、固く閉ざされた入り口の前へとやってくる。
そこで朝倉は、管理会社から預かっていた鍵を取り出そうとバッグに手を入れた、まさにその時。
ダンッというやけに響く音の後に、ドアノブが吹き飛んだ。

「いきなり銃を撃つなあ!!」

ヴゥゥン、グゥヴォキッ

再び炸裂する、朝倉の必殺技・巫女さんDDT。
舗装された地面に頭から落下する九条。
だ……大丈夫なのか?
そんな心配をよそに、何事も無かったかのように、むくっと起き上がる九条。
てか、ノーダメージなんですか?
さ、さすが、対肝試し用装備である。
違うかぁっ!!
そして起き上がった九条が、珍しく顔に反省の色を浮かべて口を開く。

「む? やっぱり突入時は、ドアを避けて壁を爆破した方が良かったか?」

「違うわよっ、こっのっバカ九条!! せっかく鍵を預かってきたのに、ぶっ壊してどうすんのよ!! 少しは頭を使いなさい!!」

「いや、エントリー時に鍵を使うのが最も危険な行為なんだぞ? 鍵を解除した際には音も出るし、ノブが回転したのを確認した犯人が、ドア越しに撃ってこないとも限らんだろう」

「限るわよ!! てか、犯人って何? これは、肝試しなのよ? 何かいたとしても、幽霊とかの類でしょ? それともなに? 幽霊がRPG-7やAK-47で武装しているとでも言うの? だいたい何で銃なんか持ってきてるのよ!!」

言い訳する九条に、なにやら具体的な武器の名前を持ち出して抗議する朝倉。
なんか、武器が共産ゲリラっぽいんですけど……。
まあそれはさておき。
怒りに顔を染める朝倉に、九条が涼しい顔で答える。

「署長の許可なら、取ってあるぞ? 銃及びそれに付随する火器の取り扱いも許可されている」

「へ? 署長の許可?」

いきなり署長の名前を持ち出されて、朝倉が呆けた顔をする。

「うむ。それにこの場合、幽霊は問題ではない。最近この廃墟から奇怪な物音や話し声、そして不振な人影が目撃されている。もしここが、何者かに占拠されていた場合に備えての武装だ」

腕を組み、自分の正当性を主張する九条。
そんな九条に、ためらいがちに優司が話しに入ってくる。

「あのぉ、それって怪奇現象だと思うんですけど……」

「そうよ!! 普通こんな所でそんなことがあったら、怪奇現象で片付けられるでしょ!!」

朝倉も同意し、それに九条が首を横に振る。

「それは甘いぞ。確認もしていない状況での断定は、失敗を招く恐れがある。それに、どこぞの怪しい宗教団体が、怪奇現象を隠れ蓑に、地下で生物兵器やアサルトライフルを製造してるかもしれん」

「てかそれ、ひと昔前なら、放送コードぎりぎりの発言よ……そもそも、そんな占拠された状況を想定してたなら、一般人の二人を呼び出すんじゃないわよ!!」

「それは違うぞ!!これは肝試しだ!! そもそも肝を鍛えるには、大昔から実戦と決まっている」

「……それ、意味が違う気がする……」

今まで恐怖に声も出なかった藤沢さんが、あまりにも呆れ果てて、小さな声でボソリとつぶやいた。
さすがに藤山さんにまでツッコまれて、声の出ない九条。
それを取り繕うように、優司が言葉をかける。

「と、とりあえず中に入りませんか? ここで言い争ってても始まりませんし」

この意見に、九条と朝倉が息を吐きながら頷く。
てか、こんな子供に諌められてどうすんのよ……大人気ない。
こうして四人は、ドアの中の暗い闇へと足を踏み入れたのだった。

  やっぱり長くなったので、つづく




おおおおぅ(つд・)
なぜに病院に入るだけのシーンで、こんなに長くなるんですか?(つд・)
当初一話完結の予定が、日常の忙しさに負けて、分割になりました(つд・)
ごめんなさい_(._.)_
てか、九条、まともに行動してo(`ω´*)o
話が長くなるぞぉo(`ω´*)o
それにしても、愛と悲しみのでツッコミ担当の優司が、朝倉に負けて出番無し(つд・)
愛と悲しみの二人が、はみだしの二人に負けてて、存在感がないとです……
月虚風です……月虚風です……


*Edit TB(0) | CO(11) Tag List  [ * ] 

~ Comment ~

NoTitle 

実戦で肝を鍛えるから肝試し。理屈はあっているか
(そんなわきゃーない)
これはもう、AK47とRPG7で武装した共産ゲリラの幽霊がお出ましするっきゃないのかもーwww
四人の肝試しの顛末をお待ちしております~

NoTitle 

HANA子さんいっらしゃいませ^^
あの理屈が通るのは、九条だけです><
共産幽霊って逢いたくないかも^^;
かくゆう、うちにも幽霊が出ます(゜▽゜;)
霊媒師の人曰く、
『霊障や悪い影響はないです。この世に未練があって、寂しいだけなので、供養してあげれば喜びます』
以上!!
供養してるんですが、たまに出てきます^^;
まあ、何かするわけではないんですけどね^^;
それからわたしと彼は、スルーする優しさを覚えました(゜▽゜;)
無視するのが一番o(`ω´*)o

NoTitle 

>「露邪亜&禍烈斗……ロジャア&マガレット?」

きゃぁぁ!! \(T▽T)/ 最高ですvvv。
大興奮してしまいました。本当、何しに来てるんでしょう。

NoTitle 

ロジャーさんたちは本当に何しに来たんでしょうね^^;
まあ、西洋では漢字とかが流行ってたりしますから≧∇≦

NoTitle 

こ、高校生とメイドさんと巫女さんとSWAT…。

とりあえず通報されますよね、このメンツwww確実にwww

四人の行く手に何が待ち受けているのか、楽しみにお待ちしておりますねー。

NoTitle 

その発想はなかった(゜▽゜;)
たしかに通報されるかも^^;
まあ、現役の警官も2人いるし(゜▽゜;)
続きも読んでくださいね^^
更新頑張ります^^

NoTitle 

しょっぱなから巫女さんとメイドさん!なんてうはうはしていたお馬鹿さんがここにいますみません。いい光景ですね(変態
朝倉さんは相変わらず素敵なキャラです。九条とのコンビも抜群ですね^^
いやもう、今回もかなり笑わせて頂きました♪特に、「いや、警察になら四回止められたぞ?」と、あと朝倉さんのグローバルっぷり^^
つづきも楽しみにしていますね♪

NoTitle 

なんつうか・・・おもろい。九条も日本だと鬱憤が溜まるんじゃないかな?
でも、関係なく銃をぶっ放してるし・・・朝倉さんのストレスが溜まってるのか・・・
それにしちゃ、巫女キックやら突きやら・・・やりたい放題してるような。
二人とも好きでやってるみたいですから、要らない心配でしたね。

NoTitle 

夏美さんいらっしゃいませ^^
今回は優司以外、濃いコスプレ集団に(゜▽゜;)
いい光景……なのか≧∇≦
朝倉&九条コンビが濃すぎて、優司&藤山さんが負けてる(つд・)
九条のあの台詞に感想いただけて嬉しいです^^
まあ、普通止められますよね^^;
バトルスーツ着てバイクに乗る善良な一般市民が止められるくらいですから><(違っ
朝倉の格好は、本当は怖いけど、九条だけには任せておけないので、無理やり霊に効きそうなものをかき集めた感じですね^^;
次回も更新頑張りますね^^

ペカリさん、いつもコメありがとうございます^^
喜んでいただけましたか?(゜▽゜;)
九条はSATに入隊しても、日本だと凶悪犯罪で出動することが少なく、訓練ばかりで飽きそうですね^^;
アメリカのSWATあたりが合っていそうです^^
朝倉さんは、もともとXファイルのスカリー的な位置で、相棒の暴走を止める役だったんですが、最近ストレスの為か、暴走気味です(゜▽゜;)
まああれくらいやらないと、九条の行動を阻止できないので^^;

NoTitle 

 お久しぶりです!!
ようやく仕事が、ひと段落つきましたので読みなおしに来ました!!
 
 うおあ~!朝倉さんの巫女様お姿お見せできないのが残念です!!
 でも、メイドさんがコンビニの制服っていいな!!
ミニスカナースも、大好きですがメイドさんもやっぱり大好きです!
 
 朝倉さんの婦警さん姿を想像して萌えてたんですが、良く考えてみれば刑事さんなので「逮捕しちゃうぞ!」的な制服は来てないか、残念^^;

NoTitle 

KILLHOUSEさん、お久しぶりです^^

お仕事お疲れ様です^^
お返事遅れてごめんなさい><

朝倉の巫女さんってどんなんだろう(゜▽゜;)
絶対に巫女らしくないですよね^^;
メイドのコンビニ服は、愛と悲しみの二重奏に載っています^^
ミニスカナースって(´_ゝ`)
うちの彼は、OL服が好きらしい(´_ゝ`)

朝倉は、刑事さんだから、制服はないですよ(つд・)
今度機会があったら、書きますね^^
管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

~ Trackback ~

トラックバックURL


⇒ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 ◆Home  ◆Novel List  ◆All   ◆通常ブログ画面  ▲PageTop 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。