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自作小説~Mon etagere

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現代版桃太郎(銃撃コメディ)


現代版桃太郎 外伝④~NEXTチャレンジャーはロジャー&マーガレット、救出目指して笑いを獲れ!!~

2009.08.26  *Edit 

テロリストたちの潜む砦が朝日を浴びて、白い朝もやが漂う鬱蒼とした森の中に、その堅牢な姿を浮かび上がらせていた。
砦の正面には木でできた巨大な門があり、その前には3人の歩哨たちが、周囲に目を光らせている。
それに加えて、城壁の四隅の楼閣には、土嚢に守られた20mmブローニング機関銃の姿も見える。
そして、その砦から200mほど離れた草むらの中を、2人の男が身を低くして移動する。
正面から陽動をかけるSAS隊員である。
彼らは木々や障害物を上手く利用して、砦の見張りの目をかいくぐる。
それから近くの岩陰に身を潜めると、2人は手にしたG3アサルトライフルを構え、短い間隔でトリガーを軽く引く。
とたん、撃ち出された7.62mmの弾頭が、砦の正面の門を警備していた3人の歩哨たちの胸を、正確無比に貫いていく。
そしてそれに応えるように、楼閣の銃座から彼らのいる岩陰へと、20mm徹甲弾の雨を降らせてくる。
さらに城壁上に集まったテロリストたちが、AKアサルトライフルを乱射して、それに加わった。
岩陰は遮蔽物としては十分に機能していたが、左右上方からの十字砲火の前では心許ない。
2人のSAS隊員は、隠れるように地に伏せるのが精一杯だった。
容赦のない銃撃が周囲の大地をえぐり、木の枝を粉砕していく。
岩が銃弾で砕け散り白い粉塵を巻き上げる中、SAS隊員が狙いもそこそこに応射を試みる。
だが反撃も虚しく彼らの放った銃弾は、機関銃の手前の土嚢に穴を開けただけだった。
まさに、万事休す。
またまた岩陰に身を隠した隊員たち。
その耳に、砦の後方からズシンと響く爆発音が聞こえてくる。
銃撃がゆるくなって、岩陰から砦の様子を窺った隊員が呟く。

「ようやく始まったか……」

見れば、城壁のテロリストたちが慌ててどこかへ駆け出していくのが分かる。
そう、先ほどの爆発は、後方でかく乱するために移動した別働隊によるものなのだ。
こちらが陽動だと思った敵が、後方へ戦力を傾けるように、向こうでも陽動をかけたわけである。
これで敵の戦力も、大部分を向こうに送っただろう。
だが楼閣上にはまだ20mm機関銃があり、間髪入れずに銃撃を繰り返してくる。
油断なく岩陰からその様子を窺う2人の元へと、ロジャーともう一人の隊員が合流してくる。
この4人が主力メンバーなのではあるが、戦力としてはかなり頼りない。
もともと6人で、砦を攻めること自体、厳しいわけではあるのだが。
しかも、後方に2人の隊員を割いてしまったために、4人で正面突破するしかないのだ。
それでも、この方法にも利点はある。
敵がこちらを陽動だと思っている間に、正面さえ突破できれば、後方と挟み撃ちにできる。
あくまで突破できればなのだが。
敵がこちらを主力だと気づいて引き返すまでの時間、それがタイムリミットである。
まずはあの、小うるさい機関銃を黙らせなければならない。
ロジャーは岩陰に身を伏せたまま、横にいるマーク伍長に視線を向けた。

「マーク、お前野球部にいて、大リーグ目指してただろ?その豪腕で、楼閣まで手榴弾を投げてくれないか?」

そう言って、楼閣を指差すロジャー。
ここから楼閣までは、軽く200mはあるのである。
しかも楼閣はかなり高い位置にあり、現役の大リーグ選手でも、正確にあそこに投げるのは不可能に近い。
そんなロジャーに、マーク伍長が首を横に振る。

「いえ、曹長。自分はサッカー部です……」

………。
場に奇妙な沈黙が訪れ、楼閣から撃ち出される銃弾の音だけが響き渡る。
まあ、サッカー部ならしょうがないわよね。
だがそんなマーク伍長の肩をぐわしっと掴むと、ロジャーはこともなげにこんなことを言う。

「キックオフだ、伍長!!」

「いや無理ですって……」

ロジャーの無茶な要求に、冷めた顔で答えるマーク伍長。
それにも構わず、ロジャーが続ける。

「何を言うか伍長!!かのベッカムなら、これくらい朝飯前だぞ!!」

いやアンタ、ベッカムは手榴弾を200mも蹴ったりしないから。
それ以前に、1970年に彼生まれてないわよ?
またも訪れた沈黙に、なおもロジャーが言葉を続ける。

「じゃあ、スローインだ!!」

「いや、それのが無理ですって……そもそも200mもスローインできた日には、直接ゴール狙えるじゃないですか」

「じゃあ狙えばいい!!」

「だ・か・ら、200mスローインできたらの話です!!」

さすがのマーク伍長の声も荒くなる。
そりゃそうだ。
こんな無茶な要求で平行線の言い合いなんて、無駄もいいところである。
だってまったく、事態が進展していないし。
それにいくら特殊技能を持ったSAS隊員とはいえ、200mのスローインができる人間なぞいるわけがない。
仮にいたとしても、それはそれで、セリエAにでも出場したほうが有意義な人生を遅れるというものである。
いまだに撃ち込まれる銃弾の嵐の中で、マーク伍長が言い返す。

「曹長殿。曹長殿は学生時代にフットボールをおやりになってたとか!!自分に代わってタッチダウンをお願いします!!」

そう言って、今度はマーク伍長がやり返す。
いや、そんなしたり顔してるとこ悪いんだけど、そもそも手榴弾小脇に抱えて、タッチダウンできるような状況なんだったら、普通に攻めれるでしょうがっ!!
結局平行線の論争をたどる、無意味な言い合い。
その間にも、雨あられと降り注ぐ敵からの銃弾。
それに終わりを告げたのは、とつぜん起こった爆発音だった。
それもふたつ。
爆発音と同時におさまる、敵からの銃撃。
いぶかしんで岩陰から顔を出すロジャーたち。
彼らの視線の先には、煙を上げて炎上する楼閣の上部が映っている。

「後方の陽動部隊でしょうか?」

「それにして早すぎるな。だが、このチャンスを生かさないわけにはいかん。突っ込むぞ!!」

決断するが早いか、ロジャーを先頭に移動を開始するSAS隊員たち。
まずはロジャーとマーク伍長が身を低くして、遮蔽物沿いに走る。
それを残った2名の隊員がバックアップし、城壁の上を警戒する。
だが城壁からの攻撃は一切無く、難なく門へとたどり着く。
今度はロジャーたちがバックアップし、残った2人が前進する。
その間中、砦内から散発的な銃声は聞こえてくるものの、城壁上に敵の姿は現れなかった。
城門で合流した4人は、手早く城門にC4を設置すると、少し離れて起爆させる。
もちろんC4の威力の前に、粉々に砕け散る城門。
辺りにはもうもうと爆煙と木片が舞い上がり、それに紛れるように砦内へと突入してゆく4人。
こちらも視界は悪いが、逆に煙に身を隠すこともできる。
城門のあった場所をくぐり、中庭に入ったところで散開する隊員たち。
爆煙が晴れ始め、周囲にライフルを向け警戒する。
そして完全に視界が回復した瞬間。
ロジャーたち4人が、同時に左右に飛ぶ。
それを追うように轟音が鳴り響き、たった今までロジャーたちがいた場所を、なにかが炸裂する。
それにより地面はえぐられ、大量の土砂が巻き上がる。
そして地面に伏せたロジャーたちに、大量の土砂が降りかかる。
まさに土砂降りという形容にふさわしい光景である。
半ば土砂に埋もれた4人の視線の先に、それはいた。
中庭の奥、石造りの建物を守るようにして、T-34戦車がたった今撃った砲塔から硝煙を立ち昇らせて、砲塔を旋回させている。
たしかにT-34といえば古い機体に違いはないのだが、ろくな対戦車兵器も持たない歩兵たちにとっては、脅威であることに変わりはなかった。
あの重厚な装甲な前には、小銃の弾なぞ蚊が刺した程度も効果がないだろう。
そしてその重厚な砲塔が旋回を止め、今度こそトドメを刺そうとロジャーたちにゆっくりと狙いを定める。

ズガァアアアアン

火を噴く砲塔。
ロジャーが横に飛び、マーク伍長以下3名がその場に伏せたまま、じっと瞳を閉じる。
だがいつまで経っても爆発は起きず、顔を上げてみれば、戦車の砲塔部分から炎と煙が上がっているのが見えた。
状況が掴めず、唖然とする4人。
そんな彼らに、遠くから怒鳴りつけるような声が聞こえてくる。

「曹長、いつまでもそんな所に突っ立ってないで、部下たちを率いて砦を占拠しなさい!!」

その声のする方に目を向けてみれば、爆発炎上する戦車の向こう、中庭の中央に位置する建物の屋上に、対戦車ミサイルを構えるマーガレットの姿があった。

「あのバカ女、こんな所にいやがったのか……」

呆然と見つめる4人。
そんな彼らに、後方で陽動していた2人が合流してくる。
これで戦力が整った。
あとは中央の建物を制圧するだけだ。
ロジャーたち6人が建物へと移動しようとした、まさにその時。
一発の銃声が中庭に響き渡った。
もちろんそれは、ロジャーたちでもマーガレットでもない。
その銃声の主は、楼閣の残骸に身を潜めた狙撃手のものだった。
そしてその銃声と同時に、屋上のマーガレットがどさりとその場に倒れこむ。
あ、撃たれたし……。
まあ、あんなところに堂々と仁王立ちしてた日には、いい標的でしかないわけであるが。
それはさておき。
それを目にしたロジャーが、鋭く叫ぶ。

「スナイパー!!」

それと同時に地に伏せる隊員たち。
全員がG3アサルトライフルを構え、楼閣の残骸へとその銃口を向ける。
距離はおよそ300m弱。
SAS退院の彼らには難しい距離ではなかったが、相手は物陰に巧妙に身体を隠し、なかなか姿を現さない。
もちろんスコープなんてシャレた装備は無い。
焦る気持ちを抑えて、ロジャーは狙いをつけたまま、じっとその時が来るのを待った。
相手が再び狙撃をする瞬間、それがチャンスだった。
そして、その時は来た。
ロジャーは一度だけ、トリガーを引き絞った。
ダンッという軽い銃声の後、銃弾が空気の層を切り裂いて、狙撃手の喉下に命中して絶命する。
それを確認し、ロジャーたちは建物へと急ぐ。
窓を警戒し、低姿勢での移動。
だが不思議なことに、建物からの攻撃は無かった。
入り口に到着した6人は、素早く入り口を吹き飛ばし、中にスタングレネードを放る。
玄関内からすさまじい轟音と閃光が漏れ、それがおさまると同時に次々に突入していく。
一階に敵の影は無く、足音を忍ばせて二階への階段を駆け上がる一行。
二階には大きな扉がひとつしか無く、そこにテロリストたちが立て篭もっていることは明白だった。
ロジャーは扉の前で、声を落としてマーク伍長に指示を出す。

「マーク、お前は2名の部下とここで待機しろ。俺とこいつらで屋上を爆破して進入するから、それに合わせてお前たちも突入しろ。勝手に攻撃なんかするなよ」

「了解しました。曹長殿もお気をつけて」

マーク伍長にその場を任せ、ロジャーが2名の部下を連れて階段を上がってゆく。
重い鉄の扉を押し開けて、屋上に出るロジャー。
そのままマーガレットに駆け寄ると、傷の具合を確かめる。
銃弾は胸に当たっているようだ。
最悪の事態を考えて顔色を曇らせるロジャーの腕の中で、マーガレットが咳き込んだ。

「ごほっ、ごほっ。え?曹長?わたしは一体……」

「少尉殿、しゃべらないで下さい。今傷の具合を見ています」

撃たれた拍子に脳震とうを起こしたのか、マーガレットがぼやけた瞳で周囲を見回した。
そのあとぼんやりと、自分の身体を確認するロジャーを見つめていた。
そして彼女が見つめる中、ロジャーの手が止まる。

「少尉殿、弾はボディアーマーで止まっています。肋骨や内臓への損傷も見当たりません。ラッキーでしたな」

そう言って、安堵のため息をつくロジャー。
そんな表情を見て、マーガレットの胸の鼓動が高鳴る。
あんなに自分を子バカにした相手なのに、なぜだか分からなかった。
でも、この高揚感や安心感はなんなのだろう?
そんな彼女をロジャーが抱きかかえるようにして、立ち上がらせてやる。
自然と顔が赤くなるのを隠すかのように、マーガレットが言葉をかける。

「曹長、砦の制圧はどうなっているの?」

「はっ、部下たちがテロリストどもが立て篭もる扉の前に、待機しています!!」

「なにをグズグズしているの!!早く突入しなさいっ!!」

いや、グズグズって、アンタを助けに来たんだけど。
だがロジャーはそんな言葉に怒るでもなく、ニヤリと笑いながら敬礼をする。

「それだけの軽口が叩けるなら心配は要りませんね。では、突入しましょう!!」

言って、屋上にC4を設置していくロジャーたち。
この建物も城壁と同じように漆喰の石造りで、なかなか丈夫そうである。
通常よりも量の多い爆薬を仕掛けて、ロジャーが合図を送る。
ドフゥッ!!
閃光と白い煙を噴き上げて、屋上の床が崩れ落ちる。
それと同時に、階下に突入するロジャーさんたち。
ドアも爆破され、マーク伍長の班もなだれ込んでくる。
部屋の中には元からあったのだろう高価な調度品の数々と、それには不釣合いな、こちらも高価な電子機器で埋め尽くされていた。
そして部屋の奥にはきっとボスであろう男が、人質を盾にするように銃を突きつけていた。
年の頃なら20代後半だろうか。
頭を短く刈り上げて、油断ない目つきでロジャーたちSAS隊員を睨みつけている。
その手に握られた拳銃が人質のこめかみに、ピタリと押し当てられている。
一方の人質のほうは、気の弱そうな20代前半の男で、怯えたように両手を挙げては、ときおり体を震わせていた。
それを取り囲むSAS隊員たち。
アサルトライフルをテロリストに向けるものの、人質を盾にされては攻撃することができない。
だが、テロリストの方も動くことはできない。
そんな状況の中、ロジャーが口を開く。

「もうお前の仲間はいない。観念して人質を解放して、投稿……じゃなかった。投降しろ!!」

あのぉ~、今の言い間違いって、更新が遅れてるあたしへの嫌味ですか?
基地に帰ったら、グランド4000周の罰ね。
まあそれはさておき。
ロジャーの言葉に、テロリストが焦りの表情を浮かべて答える。

「まさか仲間たちと立て篭もった所に、瓦礫を落とすとはなかなかやるな」

たしかに言われてみれば、ロジャーたちの足元の瓦礫の下からは腕や足が突き出していて、ピクピクと痙攣していたりする。
たまに聞こえるうめき声が、下敷きになった彼らがかろうじて生きていることを知らせている。
とりあえず、なんか悪いので瓦礫から下りるSAS隊員たち。
そんなロジャーたちに、テロリストの男が最後のあがきをする。
人質に突きつけた拳銃を握る手に力を入れ、SAS隊員を威嚇する。

「だがな、こっちにはまだ人質がいるんだ。大人しく道をあけろ。こいつがどうなってもいいのか?」

「別にいいわよ」

即答するマーガレット。
っていいのかよ、おい。
唖然とする一同に構いもせず、さらにマーガレットが続ける。

「わたしが欲しいのはIRAの情報であって、人質の命じゃないわ」

冷たく言い放つマーガレット。
これには一同、言葉も出ない。
テロリストなぞは人質に同情的な表情を送り、励ますような言葉をかけている。

「……おまえのところの上司は最低だな。どうだ?スパイなんてやめて、うちに本気で転職しないか?」

「俺も今、それを考えてたところだ……」

答えるスパイの言葉を聞いて、それ見たことかと、マーガレットが勝ち誇ったような顔をする。

「やっぱりね!!これであなたも立派なテロリストよ!!これで助ける必要も無くなったわけね。さあ、制圧よ!!」

『ちょっと待てぇいっ!!そんな理屈があるか!!』

もちろん叫んだのは、マーガレット以外の全員である。
ロジャーにいたっては、怒りで顔を赤く染めている。

「お前はバカか!!俺たちは人質の救出に来たんだぞ」

「上官に向かってバカとは何よ!!これが心理戦、交渉術っていうもんなのよ。猿並のあなたの脳ミソじゃ分からないでしょうけどね」

またまた言い争いをはじめる二人。
てか、人質を悪人に仕立て上げて、一緒に殲滅する交渉術なんて聞いたことないぞ、おい。
それはさておき。
険悪なムードが二人の間に流れる。

「誰が猿だ!!だいたい降下に失敗して、こんな所に落っこちたやつが偉そうなこと言ってんじゃねえよ!!」

「はんっ、笑わせてくれるわね!!あれは作戦よ!!ちゃんとあなたたちの危機を救ってあげたじゃないの!!強襲っていうのはああやるものなのよ!!」

「嘘をつけ!!たまたまここに落ちただけじゃねえか!!」

テロリストと人質をそっちのけでにらみ合う二人。
あのぉ、周りの人たち全員呆れてますけど。
もちろんそれには構わず、見苦しい喧嘩はまだまだ続く。

「ふっ、しょうがないわね。どちらが正しいか、実力で証明しましょう」

「望むところだ!!」

そう言って二人はアサルトライフルを肩にかけ、身を低くして拳銃に手をかける。
って、まさか撃ち合う気ですか?
まあ、この二人が救出作戦なんぞした日には、こうなるだろうと予想はしてたけど。
そのまま西部劇の決闘よろしく、にらみ合う二人。
ロジャーは愛用のブローニング・ハイパワー。
対するマーガレットは、巨大で不恰好なリヴォルバー拳銃。
二人は右太ももに装着したホルスターへとゆっくりと腕を伸ばし、そして銃を引き抜いた。

タタタンッ、ズガァアアアアンッ、タタンッ

たちまち至近距離で撃ち合う二人。
しかもマトリクスの様に、お互いの全ての弾丸をかわしていく。
ロジャーの9mmパラベラム弾が高価そうな壷を砕き、マーガレットの.600NE弾が壁の液晶パネルを粉砕する。
そんな激しい銃撃戦のさなか、マーガレットがロジャーに余裕の笑みを浮かべる。

「曹長、そんな豆鉄砲で勝てると思っているのかしら?9mmなんてダブルタップ(同目標に2発撃ち込む意)しないといけないし、やっぱり戦闘は火力よ!!」

「ふんっ、まさにデスクワーク馬鹿の典型だな!!戦闘は汎用性と機動力だ!!」

マーガレットのリボルヴァーよりも軽量で装弾数も多い、ロジャーの拳銃。
二人は言い合いながらもトリガーを引く手を休めること無く、周囲の高価な設備や調度品をことごとく破壊していく。
その間、他のSAS隊員たちはといえば、我関せずといった感じにコーヒーを沸かしては、ポーカーなぞをやっていたりする。
って、おいおい。
しかも瓦礫の下から救出したテロリストの手下たちも混じっていたりするのだが、まあ、あの二人の被害者という点で共感でもしたのだろう。
お互いの故郷や家族の話で盛り上がっている。
そんな状況の中、テロリストのボスが、控えめな口調で二人に声をかける。

「あのぉ……できれば撃ち合いをやめていただけませんか?」

「五月蝿い!!」

「お前は黙っていろ!!」

もちろんそんなことに聞く耳を持たない二人は、銃撃をやめることも無く、とうとう手榴弾を使用し始める。
マーガレットが投げたスタングレネードが、ポーカーを興じていた一団の付近に落下する。
SAS隊員たちは手馴れた動作で耳を塞ぎ、直視しないように顔をそむける。
だがいきなりのことに、テロリストの手下たちは、グレネードにビビリまくって思わずそちらに目を向けてしまう。
そして爆発、昏倒。
哀れテロリストの部下たちは、その場でうめき声を漏らして、全身を痙攣させている。
そして、今度はロジャーが複数のスタングレネードを投げる。
即座に数歩後ろに飛ぶマーガレット。
スタングレネードが炸裂し、その中に一つだけ紛れ込ませた破片手榴弾が、近くのコンピュータをズタズタに引き裂いた。

「くっ、本物が一つだけ。やるなっブライト!!」

てかマーガレットさん、ブライトって誰ですか?
版権に引っかかる発言は控えるように!!
まあそれはさておき。
このロジャーの攻撃に巻き込まれて、ボスと人質が失神していたりするのだが、二人はお構い無しに容赦のない攻撃を繰り返す。
そのまましばし、砦内に爆発音と銃声が鳴り響き、それが突然ぱたりと止んだ。

「ふんっ、デスク畑にしてはなかなかやるな!!」

「あなたもね曹長!!」

二人は持っている弾薬と爆薬の全てを使い果たし、あとはナイフしか残っていなかった。
さすがにナイフでは相手を傷つけてしまうだろうと、休戦にいたったわけではあるが。
てか普通、銃撃と爆発で傷つきますから……残念っ!!
そして室内は酷い有様である。
SAS隊員はもちろん無傷ではあるが、テロリストたちや人質は全員、体中生傷だらけで床にのび、室内にあるものは原形をとどめていなかった。
かくして、ここにひとつの悪は滅びた。
ロジャーの無線で、強襲ヘリコプターが回収に来て無事に帰還したSAS隊員たち。
一方、刑務所に収監されたテロリストのボスは、看守たちにやたら従順だという。
彼はイギリス兵の全てが、ロジャーやマーガレットたちの様だと本気で思い込み、テロをする気が失せたらしかった。
そして基地に戻ったロジャーは、一人ふらりとバーに足を向けていた。
カウンターの一番奥が、彼のお気に入りの専用席だった。
年老いたバーテンにいつものスコッチを頼み、ため息とともに呟くロジャー。

「おやっさん、聞いてくれよ。今回の任務、情報部のバカ女のお守だったんだぜ。しかもこの女が生意気で、やることなすことメチャクチャなんだ」

「ほぉ、お前さんが他人のことをそんなに熱心に話すなんて、よっぽど惚れたんじゃないのかい?それに、ワシには似た者同士にしか見えんがね」

にやりと笑うバーテンに、ロジャーが食ってかかる。

「ちょっ、それは絶対ないって!!逢えば喧嘩しかしてないぞ、俺たち」

「喧嘩するほど仲がいいってね」

そう言ってバーテンが、古いスコッチをグラスに注いでロジャーの前に出す。

「おやっさん、いつものじゃないぜ?こんな高価なもの、俺の薄給じゃ飲めねぇよ」

慌ててグラスを返そうとする、ロジャーの手が止まる。
コースターの下に、一枚のメモがあったからだ。
おもむろにそれを抜き取り、広げて読むロジャー。

ロジャー・トラスク曹長へ
これはわたしからの驕りです。
飲み過ぎないように!!
明朝0500時にブリーフィングをします。
遅れずに来るように!!

PS.あなたのこと少しは見直したわ
              マーガレット・アンダーソン


メモには、そう書かれていた。

「ちっ、またあいつと組むのかよ……」

毒づくロジャーに、バーテンが思い出したように口を開く。

「おおそういえば、お前さんの言うバカ女さんとやらからの言伝じゃ。『今回のことはわたしにも非があるわ。次の作戦では、あなたが指揮を取ってちょうだい』だそうだ」

彼女の伝言のくだりで、彼女の口調を真似したのか、妙に裏返った声で身をよじらせて言うバーテン。
年老いてでっぷりと太った男がこんなことした日には、見ているだけで背筋も凍るほどの気持ち悪さである。
引きつった表情のロジャーはグラスを一気に煽ると、にやりと呟いた。

「けっ、なかなかいい女じゃねえか」

                  おしまい


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~ Comment ~

NoTitle 

マーガレットさんの前では月さんでさえも控えめな女性に見えてしまう読者であります。
まあ、ロジャーさんとはお似合いでしょう。いやあ、痛快でした。ありがとうございました。

キックオフて。 

読ませていたたきました!
キックオフのくだりで思わず笑ってしまいましたwww
ロジャーさんってばどんだけポジティブ…え、これポジティブって言っていいのかしらん?ちょっと躊躇しますネ。

乙女のマーガレットさんがかわいかったです! その後の戦闘は照れ隠し…? や、あれは本気ですね、きっと。

バーテンがくねくね伝言…なんだか、某ヘリのパイロットを彷彿とさせるようなwww
親戚かなにかですかッ!?

脱稿お疲れさまでした!
楽しかったです。ありがとうございましたぁ。

NoTitle 

はじめまして~
あ、ミリタリーでコメディってツボです
ドツボってやつです!
面白かったですよ~

他の作品も拝見させていただこうと思います
それでは、またです

NoTitle 

ペカリさん。
マーガレットさんの前だけじゃなくて、わたしは控えめな大和撫子ですよ^^
そこ、笑いを堪えないo(`ω´*)o
ロジャーさんとお似合いというか、ロジャーさん以外付き合ったら、相手が死にますね(゜▽゜;)
楽しんでいただけたら何よりです^^

ミズマさん。
キックオフのくだり、楽しんでいただけて嬉しいです^^
ポジティブというか、何も考えてないんじゃない?と思ってしまいます^^;
ノリだけで世の中を渡っています^^;
マーガレットさんを可愛いといってくださるのは、きっとロジャーさんとミズマさんくらいかも?(゜▽゜;)
バーテンのくだりは、ミズマさんのリクエストにお応えして入れてみました^^
親戚かは不明です^^
また遊びに来て下さいね^^

HANA子さん。
はじめましてです^^
ミリタリーコメディが好きなんだぁ^^
面白いと言っていただけると、更新意欲がわきます^^
こんな作品でよければ、また読みに来て下さいね^^
こちらからもお伺いしますね^^

NoTitle 

ロジャーさんの野球部とかサッカー部とかのやり取りに笑わせて頂きました^^
相変わらず月さんの笑いのセンスはピカイチですね♪^^

そして、あなたのこと少しは見直したわ、とかなかなかいい女じゃねえか、とか、何だかんだ認めあってるツンデレ風の二人にきゅんときました(笑)
やっぱりロジャーさんとマーガレットさんはいいですね!

NoTitle 

夏美さんいらっしゃぁい^^
サッカー部のくだりに喜んでいただけで、悩みまくった甲斐がありました≧∇≦

二人は素直じゃないので、あんな風にしか認め合えないんです><
もう少し素直なら、ロジャーさんたちの喧嘩も減るのに><

NoTitle 

いや~、20mm機関銃とかが具体的にかいてあってわかりやすかったですw
ブローニング・ハイパワーは癖の強い銃で(ry

サッカー部とかをはじめウケがたくさんあって本当におもしろかったです。

P.S
また遊びにきてください。
気軽にまってます。

NoTitle 

ネミエルさんいらっしゃぁい^^
兵器に関しては知らない人にも分かりやすくしようとして、濃い説明をしてさらに混乱させてしまってるかも><
ブローニングハイパワーはクセが強い銃ですが、訓練した兵士が使うとかなり有効です^^
いろいろ楽しんでいただけたなら、嬉しいです^^
また遊びに行きますね^^

お邪魔します! 

画面の向こうでケタケタと笑ってる怪しい子の登場です。

自信ありげに、マークに大リーグ目指してただろ?って聞くロジャーさん最高っす!
そしてサッカー部だったっていうオチがさらに最高です!!
それでもめげないロジャーさん……あぁ笑い過ぎてお腹が痛いです……。

マーガレットさんもなかなか粋なことしてくれるじゃないですかぁぁっ!
あぁぁぁ……二人とも素敵でした!!
楽しい小説を有難うございます!!(*´д`*)

NoTitle 

筱さんいらっしゃぁい^^
ロジャーさんとマーク伍長の会話に、そんなに笑っていただければ、二人も満足してますね^^
よくあんな人たちがSASなんかに入隊できたと思います(゜▽゜;)

マーガレットさんも素直になればいいんですが、素直だとかえってうまくいかないかもですね^^;

また遊びに来て下さいね^^

NoTitle 

最後が異様に長かったですが(っ`Д´)っっっ )3 `)
あっという間に読み終えました。

昔、ネット小説でハマッた長編軍物小説があるんですが、月さんのロジャー&マーガレットのコメディタッチのやり取りはいつまででも見ていられますね。
秀逸をあげます(何様

まぁ、何より一読者の要望を聞いてくださって有難う御座います♪


予断ですが、ハマった小説のタイトルは「Psalms」。
長編ですが、月さんの小説同様、惹きこまれますよ♪
ド恋愛ですが…

NoTitle 

わたしの悪い癖で、決まったエンディングまで、途中で脱線しても書いてしまうので、お話が長くなるんです(つд・)
粗筋とエンディングを考えて、それにサブタイトルをつけてから書き始めるんですが……
基本的にオープニングからキャラを野放しにして、勝手に行動させてしまうため、エンディングまで長くなることがあります><
いつもか(´_ゝ`)

これからも、読者様のコメを反映させていきますので、ドシドシ、ご意見ご感想ダメ出し等、いっぱい書き込んでくださいね^^

その小説捜して読んでみますね^^
管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

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